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糖尿病は古くて深い・・

糖尿病は、高血圧やコレステロールと並んで、大人の病気ですよね?
しかし、実は血圧が図れるようになったのは、1905年にロシアのコルトコフ先生が始めです。
コレステロールに至っては、化学式がわかってきたり現在のような善玉、悪玉という「層別化」をされたのは1950〜60年代です。
結構最近なのですよ。
ところが、糖尿病は違います。

インドの伝説の外科医ススルタ先生が、粘土の板に書き記した記載が、現在最古の糖尿病記録らしいのです。ところが!その時点で、詳しく症状がきろくされています。尿が甘くて虫がよってくること、最初は口が乾いたり、動悸がすること。病気が進むと、全身を激痛が襲うようになり、人生がひどい状態になること・・などなど、現在の教科書と変わりません。
同じように、中国でも黄帝内経に糖尿病らしい記載が残っています。

糖尿病は、別格に古くて歴史のある病気です。人類につきまとう病気ですね。。
こんだけ古かったら、さぞ治療も確立されているだろう・・と思うもんです。
たしかに、1922年にインスリンが販売されてますから、ぼちぼち100年ですね。

1960年代にはメトホルミンが販売されています。その後、どんどん内服薬が登場しています。

糖尿病は、進むと血管を痛めていきます。心筋梗塞を起こしたり、脳卒中になったりするのですね。腎臓の血管を痛めると透析になりますし、眼の血管を痛めると、失明します。大きなことが起きなくても、認知症が進んだり、血管のあるところ痛めない箇所はありません。
ところが!実は1960年に発表されたメトホルミン以降、こういった血管に関する合併症を予防した薬はなかったのです。メトホルミンは、UKPDSという古い臨床研究で糖尿病の合併症が減ることを報告された薬です。この後、いろんな薬がでましたが、死亡率や透析になる割合は、全く減りませんでした。
ようやく、この数年SGLT2阻害剤という薬が登場し、心臓や腎臓の合併症が減ることが確認されています。

これはなんとオシッコに糖を出してしまう、という薬です。この薬を飲み始めると、検尿でつねに尿糖が(+++)!知らないと、びっくりしますね。
でも、この薬が、メトホルミン以外なし得なかった、治療効果を実現したのです。
さらに、先述したメトホルミンは、どうやら便に糖を出しているらしいということもわかってきました。
いらない糖をどんどん捨ててしまうタイプの薬が、いままで良好な結果を生んできたのです。体に糖分を吸収させるタイプの薬では、血糖は下がりますが、本当の意味での治療効果はなかったんですね。

糖尿病では、血糖を下げないといけない・・という印象があると思います。

実際は少し違うと私は思います。
血糖を外に出す薬が優秀だったように、不要な血糖出してしまうことが、今の所薬にとって大事なポイントのようです。糖分を体に吸収させて血糖を下げると、体からしたら大量の当分を無理やり入れられることに近い。。ここで血管が傷んで、内臓が潰れていくわけですね。

薬のポイントは、糖分を体から出す。
だったら、生活のポイントは?
そうです。余分な糖分を体に入れないこと。ですね!
健康的な生活を心がけながら、薬を使って糖分を排泄していくのが基本だと、当院では指導しています!